□ 研究内容
back to index | 10-1 | 10-2 | 10-3 | 10-4

10. 不安定構造の研究
10-4. 不安定アーチモデルの試作と解析
 楔形に加工された石を用いる組石造アーチはローマ時代の土木建築技術の発展を支えた。 これらの技術は多くの失敗の歴史から学び取られた経験則に基づいており、理論的な蓄積は少なかった。 最もよく知られている理論は、スラスト線理論であり、組石造アーチの安定性に定性的な理解を与えてくれる。
 組石造アーチの示す安定性は不安定アーチによって体感することができる。 ロールピン状の石からなる不安定アーチは自重による復元力があり、 スパンの変化や外力の変化にアーチ自身が自ら形を変えることで安定形状を見つけ出す能力を持っている。