□ 研究内容


1. 平面・曲面構造の研究
 シェル構造は形態抵抗型の構造システムであり,薄肉でも非常に高い剛性を発揮する構造として知られている。 また,スペースフレーム(立体トラス),ケーブル構造,膜構造などの立体空間構造は, それぞれ特有の荷重伝達様式を備えており,軽量かつ高剛性の構造システムである。 これらの特徴的な構造システムの建築物等大型構造物への応用を目的として, シェル構造および立体空間構造に関する研究を継続的に行っている。
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2. 空間構造システムの開発
 大空間構造では,軽量かつ外乱に強い構造を開発することが一つの大きな目標となる。 コンクリートシェル構造,スペースフレーム構造,ケーブル構造,空気膜構造等が従来,開発・研究されてきている。 また,大空間構造の開発においては,建設工法の合理性,経済性,形状の自由度など様々な要素が検討されなければならない。
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3. 構造物の動特性と動的破壊の研究
 シェルや立体空間構造の振動および波動による動的挙動と動的破壊性状を調査することを目的として,理論と実験の両面より研究を行っている。
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4. 空間構造の形態形成の数理解析
 空間構造において,形態が形成される,あるいは,決定される過程(形態形成過程)を数理解析の立場から調査している。
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5. 構造物の形態制御に関する研究
 外乱下で構造物内部に発生する応力は,構造の形態に大きく依存する。 構造の形態を制御することで,構造内部に発生する応力を制御することが出来る。 また,構造物に初期応力を導入する場合も,その形態と自己応力モード, さらに初期応力により生じる構造自身の変形の間には密接な関係がある。 構造物の形態を制御することにより構造自身の力学特性をも制御するという観点から研究を行っている。
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6. 構造物の畳み込みに関する研究
 3次元的な広がりを持った構造物を平面や点に畳みこむ, あるいは,点や平面に畳みこまれた構造物を展開して広がりのある構造物を築くという手法は, 展開・可変型構造物への応用,建物の合理的な建設解体工法など,様々な応用が考えられる。 本研究では,与えられた形状の構造物を目的の形状に畳み込むための最も適した経路を求める方法について,数値解析手法等を用いて調査している。
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7. 可変型・可動式構造物に関する研究
 21世紀の建築物は従来の単なる箱ではなく,快適性や経済性,安全性といった人間活動における様々な要求に応えられる可変性を備えている必要がでてくる。 本研究では可変性・可動性を備えた構造物の形態,可動式構造物のシステムおよび可変性構造物そのものの可能性につて研究を行なっている。
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8. 大スパン構造物と災害に関する研究
 近年各地に建設されているドーム建築に代表される大スパン構造物は, 通常は大規模集客施設として多くの人々が集まる場所であるだけでなく,阪神大震災の折に報道等を通して広く知られたように, 災害時には一時避難場所などとして利用されるなど,社会的に重要な機能を果たしている。 このことは,大スパン構造物の災害時における安全性が,特に重要であることを意味している。 大スパン構造物は,通常のビル建物に比べ軽量で特殊な構造が採用される場合が多く, 地震・大風・積雪時には通常の構造物と異なる挙動を示す場合が多い。  本研究では,災害時の大スパン構造物の挙動や被害実態を調査し, 安全性を検討すると同時に,設計に反映させる必要性のある点について調査を行なっている。
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9. 張力構造の基礎的研究と応用
 ケーブル構造や膜構造などに代表される,張力を導入した構造は, 本来,圧縮力に対する抵抗力のない部材が,張力消失までの間は,圧縮力を負担できるようになるため,軽量かつ高剛性の構造物となる。 また,張力導入により幾何剛性が付与され,部材に直交する変形に対しても抵抗できるようになる。 この様な張力導入により発生する構造的な利点を構造的に有利に活用するための研究を行っている。
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10. 不安定構造の研究
 膜やケーブル構造の様な柔らかい構造物は、不安定構造物と呼ばれ、特に軽量大空間構造として広く応用されてきている。 このような柔らかい構造には、圧縮力を伝達しないという共通の特徴があり、大変形を生じ易いなど特有の構造的挙動を示す。 これは、構造の柔軟性・追従性という応用上の特長であると同時に、あらかじめ変形予測や制御が行ないにくいという難点も含んでいる。  本研究では、 圧縮力を伝達しないケーブルや膜を材料とする膜構造やケーブル構造, 剛棒を回転自由な接合部で連結したリンク構造,平板を回転自由な接合部で連結した不安定な平板構造, ケーブルと膜とを複合して構成する複合構造物等,不安定性状を示す構造の挙動に関して理論的および実験的研究を行っている。
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